SACHiEl (8/13)
SACHiEl (7/13)
2006,06,11, Sunday
SACHiEl (6/13)
2006,06,10, Saturday
SACHiEl (5/13)
2006,06,10, Saturday
SACHiEl (4/13)
2006,06,09, Friday
SACHiEl (3/13)
2006,06,08, Thursday
俺はサチエと名乗る少女をポカンと見ていた…。
「ぼ、僕と…ですか?」
流石にうろたえて自分の事を「僕」と言ってしまった。何故俺と話なんかしたいのだろう。
病院のロビーのざわめきも一瞬にして聞こえなくなった。
続き▽
「ぼ、僕と…ですか?」
流石にうろたえて自分の事を「僕」と言ってしまった。何故俺と話なんかしたいのだろう。
病院のロビーのざわめきも一瞬にして聞こえなくなった。
続き▽
SACHiEl (2/13)
2006,06,07, Wednesday
職員室は苦手だ。
いつの間にか教師という職業に就いていた俺だが、この歳になっても職員室はどうも落ち着かない。
学校が嫌いかと聞かれればそうではないと胸を張れる。しかし、それとこれは別だ。この雰囲気が好きになれない。此処にいる位なら、生徒のいる教室の方が落ち着く。まあ、それで俺が教室にいれば今度は生徒が落ち着かないだろうが。
「先生…」
軽いノックをした後にドアを開けて女生徒が俺を呼んだ。
続き▽
いつの間にか教師という職業に就いていた俺だが、この歳になっても職員室はどうも落ち着かない。
学校が嫌いかと聞かれればそうではないと胸を張れる。しかし、それとこれは別だ。この雰囲気が好きになれない。此処にいる位なら、生徒のいる教室の方が落ち着く。まあ、それで俺が教室にいれば今度は生徒が落ち着かないだろうが。
「先生…」
軽いノックをした後にドアを開けて女生徒が俺を呼んだ。
続き▽
SACHiEl
2006,06,07, Wednesday
19歳だった夏。
俺は病院のベッドの上にいた。幼少の頃から身体が弱く、もう何度も何度も手術や入退院を繰り返して来たので、俺にとってはいつもの行事だった。
病院生活は慣れてしまうと結構楽しいものだ。俺は個室ではなく6人部屋の窓側のベッドにいたが、此処から世界の全てを感じていた。他のベッドの患者の様子。ナースの様子---特に機嫌の善し悪し---までもが手に取るように判る。そしていつしか俺はこの階の古株になっていた。
「昨日はうるさくて眠れなかったでしょ?」
朝の検温時に回って来たナースが話し掛けて来た。朝方、隣の病室に入っている患者の容態が急変して帰らぬ人となった。勿論病院中大騒ぎとなりナースや当直医は走り、暇な入院患者は野次馬になり、しかし俺は「そうか…やっぱりな」とベッドの上で天井を眺めていた。
「いいえ。眠剤を飲んでたので気になりませんでしたよ。それにしても残念ですね」
「来月、退院のめどが立っていたのに…。私達もショック」
「ご苦労様です…」
いつもの朝の儀式も終わり窓の外を見ると、今日もあの娘は立っていた。
「今日もいる…」
続き▽